虫歯には大きさがありますが、初期の虫歯のことを、「初期虫歯」と呼んでいます。
初期虫歯は、歯に穴があく一歩前の状態です。
CO(シーオー:要観察歯)とも言います。
実際に歯に小さい穴が開いてしまうとC1と言います。
(注意:C1の事も、初期虫歯と呼ぶこともありますが、それは患者さんにわかりやすく説明するために、便宜的に読んでるだけであって、厳密にはC1は初期虫歯ではありません。)
ここでは、COとC1の両方について、わかりやすくご説明します。
1: 歯の表面が白くなってる
2: 歯に穴は開いてない
3: 痛みもない
初期虫歯は、まだ虫歯になっておらず、歯の表面のミネラルが溶けだした状態です。(専門用語で脱灰と言います)。
この状態は元に戻る可能性がありますので、歯の溶けだした部分を削って詰めるような治療はしません。
具体的な治療法
非常に効果的な治療法です。
フッ素は溶けだしたミネラルが再び取り込まれるのを助けます。(再石灰化と言います)。
歯科医院で定期的に塗ることと、ご自宅でのフッ素入り歯磨き粉を使うことが重要です。
歯磨き指導を受けて歯磨きが上手になると、歯に歯垢が残りにくくなります。
そうなると、歯からミネラルが溶けにくくなりますので、初期虫歯の進行が抑えられ、かつ唾液の中のミネラルが再び歯に沈着しますし、フッ素は更にその作用を助けてくれます。
歯科医院で行うプロによる歯のクリーニングです。
このクリーニングでは、歯の表面に付いた歯垢はもちろん、バイオフィルムと言って強固に歯にくっついた汚れや歯石も取ります。
虫歯だけでなく、歯周病を防ぐ効果も高く非常に有効な処置です。
C1は、歯の表面のエナメル質に限局した小さな虫歯です。
この場合の治療法は大きく2つに分かれます。
1:C1はCOと違い、明らかに虫歯にはなってるのですが、歯を削ることなく予防を行い、虫歯の進行を防ぐ。
2:C1でも、虫歯を削って除去し、そこに詰め物をする。
この2つの治療法があります。
それぞれ説明します。
C1はCOと違い、明らかに虫歯にはなってるのですが、歯を削ることなく予防を行い、虫歯の進行を防ぐ。
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歯はなるべくなら削らない方が良いです。削って虫歯を取って詰めればその時はそれで良いのですが、詰め物とご自分の歯との間のマイクロギャップ(微小なすき間)から、再び虫歯になることが結構あるからです。
その為、できることなら、C1の虫歯の進行を食い止める治療を継続した方が良いのです。
具体的には、家庭での歯磨きを徹底する。定期的に歯科医院に来て頂いて、虫歯が進行してないかチェックをしたり、フッ素を塗ったり、歯磨き指導をしたり、歯のクリーニングを行います。
万が一、虫歯が進行しても、削る時期を遅らせることができたという意味では良かったと言えます。
もちろん、ずっと虫歯が進行しない方の方が多いです。
C1でも、虫歯を削って除去し、そこに詰め物をする。
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歯はなるべく削らない方が良いのですが、歯磨きが苦手な方や、虫歯になりやすい方、フッ素が嫌いな方、定期検診に来れない方や、虫歯が進行するのが怖い方などは、実際に虫歯を削って詰め物をします。
小さい虫歯を削った後で、そこの部分の型取りをして、金属やプラスティックの詰め物をする歯科医師が多いのですが、そういう詰め物をする為には、本来虫歯がある部分よりも余分に歯を削らなくてはいけないのです。
それを防ぐためと、金属の詰め物だと見栄えも悪いので、当院では、小さい虫歯の場合は、削った部分に樹脂(歯科用のプラスティック)を詰めるようにしています。
虫歯のお悩みを解決してくれる